輝きの航路 -Aqours 4th LoveLive!~Sailing to the Sunshine~に寄せて-

2018年11月17日(土)と18日(日)、我らがAqoursが遂に東京ドームの大舞台に立ちました。本ブログは、そこでの体験や感じた・思った事を書き綴っていこうと思います。

 

目次は下記のとおりです。

 

それではスタートです。

 

1.出会いの航路

 本公演では実に多くのフォロワーさんにお会いしました。いつもはスマホの画面を介して文字で会話をしている方々と直接音声を使って言葉を交わせる。プロフィール画像から得られるイメージしかなかった方々が人間の姿で目の前に立っている。これらはとても面白かったですね。お会いした方々に対しては、様々な感想を抱きました。

 

「この人は本当に身長高いなあ。」

「この人は噂通りの男前だなあ。」

「この人は良い笑顔してますなあ。」

「この人は緑の球体じゃないんだなあ。(当たり前だけど)」

 

 人によっては「大した感想ではない」と思うのでしょうが、このような感想を抱けるというのは本当に有難いことなのですよ。

 大概の人はオン(仕事や学業のとき)とオフ(余暇のとき)とで出会う人はそんなには変わりません。これは適切な信頼関係を築けば「手を取り合って苦楽を共にできる相棒」が出来るという強みになりますが、そうでなければ「人間関係において逃げ道が無い」という詰みの状況になります。

 勿論、余暇等でいつもと違う場所に出かければ知らない人と会う事はあるでしょうが、我々オタクがライブ前後にやるような「好きなものについて語り合う」「日常のちょっとしたことについても語り合う」といった事は殆どやらないでしょう。

 我々の場合、主にツイッターを通じた会話である程度の信頼関係は築けていますし、それでいて「毎日のように顔を合わせる強烈な利害関係が生じる間柄」というわけでもないので、良識こそ必要ですがかなり好き放題な内容を話し合えます。しかも、苦楽も少しなら共有できる。そう考えると、あの日の東京ドームでの出会いと、それに前後する出来事は現代においては極めて貴重なことだったりするのです。

 ですから、まずはお会いした皆様に「Thank you, FRIENDS!!」と大きな声で言いたいですね。皆様、良い出会いをありがとうございます。

 

追伸:東京ドームでフォロワーさんが言っていた「どこまでかブログ界隈か分かんねー!」という台詞が結構面白かったです。ラブライブ!には色んな界隈がありますが、ブログ界隈も立派ですよね。

 

2.驚きの航路

 今回の4thライブはとにかく我々の予想を簡単に超越する驚きの連続でした。

 まずはラブライブ!サンシャイン!!のアニメを彩る音楽を手掛ける加藤達也さん(伊波さんにより「カトタツ」という愛称が出来ました)が指揮する、「浦の星交響楽団ですね。アイドルのライブで生のオーケストラですよ。しかも、演奏されるのは大好きなアニメの劇伴、贅沢過ぎます

 次に、突如スクリーンを真っ二つに割って出てきた巨大な帆船Aqours Ship」です。DAY1で披露されたMIRAI TICKETには「船が往くよ」という歌詞がありますし、DAY2で披露された「WATER BLUE NEW WORLD」には「海を渡ろう」という歌詞がありますが、まさか本当に帆船が出てくるなんて思いません。かつて、東京ドームで開催された「μ's FINAL LoveLive!~μ'sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪~」では劇場版ラブライブ!で登場した蓮のような大型ステージが登場し、「ここまでやるのがラブライブ!なのか!」と驚いたものですが、その精神はいまでも健在、いやバージョンアップしていたようです。

 さらに、披露された楽曲たちにも驚くべきものがありました。本公演ではAqoursのデビューシングル「君のこころは輝いてるかい?」が最初の曲でしたが、披露された場所はいつものメインステージではなく、センターステージでした。これにより、我々を含む多くの「10人目」の中心に彼女たちがいるという状態になりました。メインステージは多かれ少なかれ「舞台」という異空間のような感じが生じるものだと思います。ですが、それがセンターステージになることで良い意味で「舞台」感が薄まり、同じ空間に生きているという感覚が強くなったので、私は大変に良かったと思います。

 「想いよひとつになれ」も外せません。最初メインステージの上部にピアノが登場したため生演奏の再挑戦かと思ったのですが、実際に披露されたものは9人全員で踊る、ある意味「本来の「想いよひとつになれ」でした」。アニメでは梨子がピアノが大切だと言う気持ちに答えを出すために8人で踊ることになりましたが、本公演でもしかしたらあったかもしれない時間軸の物語が具現化したのです。アニメとのシンクロを売りとするラブライブ!において、アニメを越える演出がなされたのです。これは画期的と言って良いでしょう。

 この他にも「MY舞☆TONIGHT」や「Thank you, FRIENDS!!」においてアニメやジャケットに登場した衣装が2次元からそのまま飛び出したような完成度を維持しつつも、各キャストさん向けにカスタマイズされて登場しましたし、トロッコや花火といった舞台装置にも大変力が入っていました。このような裏方さん達の愛が存分に詰まった道具達には毎度驚かされます。ラブライブ!の大切な魅力ですよね。

 我々の期待を良い意味で裏切る「驚き」。これからも期待せずにはいられません。

 

3.夜明けの航路

 本公演では「『新しいラブライブ!』だッ!Aqoursはドームに到着し『夜明け』を迎えたのだッ!」と言いたくなるような出来事がありました。

 先程も取り上げた「想いよひとつになれ」ですが、こちらは初めて披露されたのが2017年2月の1stライブでした。この時、逢田さんはピアノの生演奏に挑みましたが、その際に一時的に弾けなくなってしまうというトラブルがありました。その後、再び挑み演奏をやり遂げると言う快挙を果たしたのです。

 この出来事により「想いよひとつになれ」は伝説の楽曲となったのですが、同時に聴くとどうしても1stライブの苦しい光景を思い出すという、ある種の「呪い」も残してしまったのです。しかしながら、その「呪い」は4thライブにて見事に解かれることとなりました。先述の通り、本公演では曲の最初ではピアノを弾くような演習があったのですが、途中からキャストさん9人が集合して円陣を組んだ後、9人で歌い踊る形で楽曲が披露されました。そして、披露された後で逢田さんは「この曲って、こんなに楽しかったんだね!」と言う旨の発言をされたのです。

 これは救いの言葉でした。聴くと素晴らしい曲だと体感するのと同時に、どうしても辛い記憶が蘇ってしまう曲であった「想いよひとつになれ」が、「楽しい想い出が溢れ出す曲」になったのですから。夜の中にあったこの楽曲に遂に夜明けがもたらされたのです。

 また、こちらも先述の通りですが、この演出はアニメを越える画期的な演出です。Aqoursはμ'sが築き上げてきた「アニメと現実のシンクロ」をより強化してきたと言えます。「想いよひとつになれ」におけるピアノ生演奏や、「MIRACLE WAVE」におけるバク転はその、最たる例でしょう。そうして、μ'sから引き継いだ物を廃れさせることのないよう行動し、ラブライブ!の名を背負うのに値する存在であることを、その行動を持って示してきたのです。

 しかしながら、「アニメと現実のシンクロ」の強化だけですとμ'sの足跡を辿っている感じがどうしても残ってしまいます。誤解の無いように言っておきますが、Aqoursはμ'sの時にはやらなかったコンテンツの展開をやっていますから、その点ではAqoursが独自で生み出したやり方をしていると言えます。ただ、ライブイベントの演出に関して言えば、μ'sがやってきたことの強化が主で、Aqoursが独自で生み出したやり方はあまり世に出せていなかったと思えたわけです。

 が、それは4thライブで確実に変わりました。「アニメとのシンクロではない、けれどもアニメに決して負けていないAqours独自の演出の仕方」が我々に示されたのです。これにより、「この先どうなるかが分からない」と言う期待感が増しましたし、μ'sとは違うAqours独自の道が始まった事をより強く感じられるようになったのです。

 また、東京ドームはμ'sがそのFINALライブを迎えた場所であり、当時は劇場版が「終点」と強くリンクしていましたから、個人差はあれど「AqoursのFINAL」が頭にちらついてしまう状況でした。ですが、本公演でAqoursとしての新たな道が始まったことを示してもらえたため、FINALを心配する必要はほとんど無くなりました。無論、「AqoursのFINAL」はいつかは来るものでしょうが、とりあえず今この瞬間は今後Aqoursがどんな道を進んでいくのかをワクワクしながら想像できる状況になったのです。

  本公演では「Aqours Ship」という帆船が登場しました。これもまた、「アニメとのシンクロではない、けれどもアニメに決して負けていないAqours独自の演出の仕方」であるわけですが、この船が進んだ航路は正にAqours独自の道の始点と言って良いでしょう。Aqours Ship」は「暗闇の大海に、進むべき道を切り開くフラッグシップ(旗艦)」なのです。新たな道を進み始めた旗艦に置いて行かれないように、我々も気合を入れて舵取りをしなくてはなりませんね。

 

4.繋がる航路

 2016年3月31日と4月1日、μ'sは東京ドームでライブを行ない、Aqoursのキャストさん方はその光景を客席から見ていたと言います。μ'sが運んできた輝きのバトンは、あの場でAqoursに正式に引き継がれたのです。それから約2年半、私がこの場でグダグダと語るまでもなく、Aqoursは引き継いだバトンを決して落とすことなく全力で駆け抜けて来ました。だからこそラブライブ!は飽きられることも無く、未だ最強のコンテンツとして全身を続けているわけです。

 そして、2018年11月17日と18日、今度はAqoursが東京ドームでライブを行ないました。そこには虹ヶ咲のキャストさん方がいらっしゃったとのことですが、公演の後で上原歩夢役の大西亜玖璃さんはこのようなツイートをしています。

 

https://twitter.com/aguri_onishi/status/1064163357354188803 

 

本日、Aqoursさんの4th LIVEを観させていただきました!

東京ドームの大きさに負けない力強いパフォーマンスに圧倒されて、感動して何度も泣きました。 私もいつかあのエネルギーを届けられる存在になりたいです。 Aqoursさん、Saint Snowさん素敵なプレゼントをありがとうございました

上原歩夢役 大西亜玖璃

11月のあの日の東京ドームでも輝きのバトンは引き継がれたことが分かります。しかも、そのバトンは2016年にAqoursがμ'sから引き継いだバトンそのままではなく、μ'sとAqoursとの両方の輝きによって構成された新たなるバトンと言って良いでしょう。このようにバトンが引き継がれていくことで、ラブライブ!というより大きな船舶の航路は繋がっていくのですね。

 なお、この航路はキャストさんにだけ繋がっているわけではありません。ラブライブ!の裏方さん達もそうですし、我々ファンもラブライブ!を応援するファンの多くもラブライブ!をきっかけとして輝きを掴むための航海に繰り出しています。そして、その行動がまた別の方が航海に繰り出すためのきっかけとなっているのです。

 さらに、本公演では「繋ぐ航路」を意識させる出来事が発生しました。キャストさんたちがマイクを通さない声で「ありがとう」を伝えてくれたダブルアンコールです。そのきっかけとなった「Aqours!Aqours!」というコールは最初は一部から始まった小さなものでした。しかし、理由はどうあれ多くのファンにこのコールを送りたいという気持ちがあったのでしょう。Aqoursコールの波のように人から人へと伝播し、最後はドームを覆いつくす大波となったのです。結果、すでに舞台から下がったはずのキャストさんたちは再び登場し、「ありがとう」を伝えてくれたのです。多くのファンの想いが繋がった結果、「人生には時々、びっくりなプレゼントがあるみたいだ(作詞 畑亜貴)」という歌詞を体現したような、奇跡のような出来事が起こったわけです。

 人と人とを繋ぎ、輝きを受け渡していく。ラブライブ!は正しく「輝きを繋ぐ航路」と言う事が出来るわけですね。

 

5.最後に…No.10の航路

 本公演のテーマソングである「Thank you, FRIENS!!」。ライブ前から心に染みわたる良い曲だったのですが、東京ドームと言う大きな空間ででキャストさんやキャラクター達、そして裏方さんを含む5万人を超すNo.10の仲間たちと歌を共有したことで、Aqoursを愛する者達が互いの出会いと、その軌跡に「ありがとう」を送りあう楽曲」となりました。さらに、Aqoursが新たな道を示してくれたことで、「これからも一緒に輝きに向かう軌跡を進むことを決意する楽曲」という意味も与えられたのです。

 さて、こうなると我々No.10としては何もしないわけにはいきません。その経路は違えども、また目標地点は違えども、それぞれの「輝き」に向かう航路を進むしかないでしょう。それがきっと、とんでもない偉業を成し遂げた彼女たちへの敬意なのですから。

 私自身は、現状どうすれば「輝き」に近づけるかは模索中ですが、何にせよ出来ることを頑張ってやって、すこしでも「輝き」が増すようにしたいと考えています。ですので、2019年は早めに目標を立てようかと考えております。

 こんなことを語りつつ、本ブログはお開きとしたいと思います。ご拝読頂きまして、ありがとうございました。